2017年1月  4.平和の根源となる家庭
 「暴力の源が人の心の中にあるとすれば、なによりもまず家庭内で非暴力を実践することが根本的に重要です。それは、2016年の3月にわたしが使徒的勧告『愛のよろこび――家庭のよろこび・教会のよろこび』の中に記した、愛のよろこびの一環です。この使徒的勧告は、結婚と家庭について教会が2年間、考察を重ねた末に発表されました。家庭は夫婦や両親、子ども、兄弟姉妹が互いにコミュニケーションをとり合い、相手を心から思いやることを学ぶことのできる、必要不可欠な場です。家庭内の摩擦や争いは、力ではなく、対話、敬意、相手の幸せを思いやる心、いつくしみ、そしてゆるしによって解決されなければなりません。愛のよろこびは、家庭の中から世界にあふれ出て、社会全体を照らします。一方、個人の間と諸国民の間に兄弟愛と平和的共存を求めるという倫理は、恐怖と暴力と閉鎖性に根差した考え方ではなく、責任感と敬意と誠実な対話に基づくものです。したがって、わたしは軍縮を求めると同時に、核兵器の禁止と廃止を訴えます。核抑止力と相互確証破壊の脅威は、こうした倫理の根拠にはなりえないからです。わたしは同様の緊急性をもって、家庭内暴力と女性と子供に対する虐待をやめるよう強く求めます。」
 以上は、教皇フランシスコが、今年の世界平和の日にあたってのメッセージで「非暴力に基づく政治の根源となる家庭」と題して示された第5項の冒頭の部分です。世界平和の礎(いしずえ)ほ、私たちの最も身近にある家庭にあることを力強く伝えています。
 日本の教会が掲げた1月の意向は「平和」への貢献です。今週は、教皇の世界平和の日のメッセージに触れながら、私たち一人ひとりが家庭を愛のよろこびの満ち溢れる場とすることができるように、ともに祈りをささげてまいりましょう。