2017年4月  3.交わりから学ぶ愛
 聖なる過越の三日間を祈りの中で過ごし、主のご復活を祝う私たちは、それぞれがいただいている固有の召命について、その基に立ち戻って選びなおすことが求められているのではないでしょうか。
 私たちは、一人ひとりが特別な関係性において、神に愛され、祝福され、守られて生きていることを実感しています。また、神との出会いの中でそれを体験しています。その愛の表れは、受難と復活において、約二千年前に人類に示されました。復活の記念は、ミサをささげるために再現されますが、典礼暦の中で、四旬節、受難の主日と受難の月、火、水、さらに聖なる過越の三日間、復活の主日、復活節として、その流れを味わいなおすことができます。
 復活によって新しいいのちに永遠に生きる道を示された主は、今も私たちに神の国の完成に向けて共に働くようにと、呼び掛けています。その呼び掛けに応えて、私にできる細(ささ)やかな手伝いをするために、私自身をささげて生きようとする営みが、召命、つまり私の召されたいのちを主にささげること、です。
 今月、若者の召命について、教皇はともに祈ることを勧めています。若者が自分自身を神にささげて生きる志を持つ道筋を整えるためには、何よりもまず、神から愛されていることを心と体で受け止めることが大切です。この愛には、他のどこからもいただくことができない、特別な味わいがあり、この愛に報いることから神と人びとへの奉仕の業の力が生み出されてきます。
 神の愛は、人々とのかかわりの中で示され、神との交わり、すなわち祈りの中で気づかされるものです。ですから、若者とかかわりを深めることが求められ、そして、祈りの味を若者たちに伝えることが求められています。
 聖週間、そして復活節を、人々とのかかわり、特に若者とのかかわりを意識しながら過ごしてまいりましょう。