2017年7月  1.居所不明者
 7月の教皇の福音宣教の意向は、「信仰を見失ったキリスト者たち」です。アジア・アフリカではキリスト者の数は増加の傾向にありますが、ヨーロッパでは減少しています。そして、もう一時代前の言葉になってしましましたが「若者の教会離れ」が進んで、日曜日のミサは年寄りばかりという状態も、珍しいことではなくなってきています。
 さて、日本の状況はどのようになっているでしょうか。世代別で集計した統計はありませんが、2015年の『カトリック教会現勢』によると、「居所不明者」が42,416人で、全信徒数436,505人の約1割が、教会との連絡が途絶えてしまっている状況を指し示しています。教区別の統計からは、大都市を抱えた教区でその比率が高くなっている傾向が見られました。因みに、東京教区はおよそ14%、大阪教区はおよそ12%、名古屋教区はおよそ16%、長崎教区はおよそ3%でした。
 神への信仰は続けて持ち続けていても、教会の仕組みや人間関係に難しさを感じている人たちもいるでしょう。しかし、私たちの教会生活は、神への信仰(霊性)と、支え合う仲間(共同体)と、その二つから力をいただいて人々に奉仕する働き(ミッション)が三本柱となっていること思えば、教会とのつながりを保つことが大切であることは自明です。教皇は、主のいつくしみに出会うこと、キリスト者の生活の美しさに出会うことをとおして、教会とのつながりを取り戻してほしいと願っています。
 今週は、最近教会に来ていない人の一人ひとりを心に思い浮かべて、それぞれの人に主のいつくしみが注がれますように、そしてキリスト者の生活の美しさに出会うことができますようにと、心を合わせてお祈り致しましょう。