2017年8月  3.AYDに集った若者
 7月30日から8月6日まで、インドネシアのジョグジャカルタで第7回AYD (Asian Youth Day)が開催されました。アジア司教協議会連盟(FABC)が主催するこの会議は,アジアの約28カ国の国と地域から青年代表約2000人が集い、ホスト国の文化・社会・教会の福音的な取り組みに触れながら、典礼、体験学習、ホームステイ、文化交流、自国紹介など、8日間共に祈り、共に学ぶ集いで、日本からは勝谷太治司教を団長として25名ほどの代表が参加しました。
 8月6日は、閉会の記念ミサでした。ジョグジャカルタの空港に隣接する空軍基地に、特設テントの会場が設けられて、ホームステイなどを手伝った3つの教区からもたくさんの信徒が招待を受けて、ミサの参加者は約2万人になりました。民族、言語、宗教などの多元性に充ちたアジアで、皆が一つになって祈りをささげ、正義と平和のために働くことを心の中で誓い合ったひとときでした。
 日本の社会は、高齢化のまっただ中にあります。しかし、国境を取り払ってアジア全体として捉えるならば、活気のある若者たちであふれています。国と地域を代表してAYDに集った一人ひとりでしたが、国境を越えてアジアの若者として親交を深めることができたのではないでしょうか。国益が優先され、その利害の対立から緊張関係が生じ、武力による衝突に発展するといった戦争への歩みを、アジア諸国は経験しています。私たちが国益を超えてすべての人が大切にしなければならない何かを見つけることができたならば、平和に向けて歩むことができるのではないでしょうか。「人命優先」という言葉が「経済優先」の実態の中でむなしく響いています。一人ひとりのかけがえのないいのちを尊敬し合うことの大切さをAYDで学んだ若者たちが、正義と平和に充ちたアジアになるために働くことができますように、共に祈る日々と致しましょう。