2018年5月  3.信徒の宣教者
 JLMMという団体をご存知でしょうか。日本カトリック信徒宣教者会という名称で、現在は一般社団法人として独立した団体となっていますが、日本カトリック司教協議会の公認を得ています。Jはジャパン、LMはレイ・ミッショナリーで信徒宣教者、Mはムーブメントで運動を表します。レイとは、聖職者・修道者ではない一般の信徒を指します。
 1981年に誕生して以来、主としてアジア・太平洋諸国にボランティアを派遣してきました。近年の派遣先とボランティア活動の内容は、カンボジアで2名が衛生教育、識字教育、現金収入プロジェクト、幼児情操教育に、1名が東ティモールで、栄養失調児対策、収入創出、家庭の栄養改善、プライマリ・ヘルスケア(衛生教育と予防医療)普及促進です。2014年まではモンゴルでもカトリック教会が行う社会活動に参加していました。
 JLMMからの派遣に先だって、希望者は6カ月の寝食を共にしての研修を受けます。今年の研修は、日本キリスト教海外医療協力会から委託を受けて、プロテスタントの看護師・助産師の研修生も共に学んでいます。1年以上にわたって異なる文化、異なる環境で、単身で奉仕活動を行うのですから、深く揺るぎない神への信頼を抱き、自分の召命と使命についてしっかりと識別がなされていなければ、困難を克服することができません。派遣先の文化や語学の勉強も行われますが、キリスト教徒としての成熟も研修での大切な要素です。
 アジア各地では、JLMMのような団体から派遣された信徒宣教者に出会うことがあります。JLMMが活動しているカンボジアでも、フィリピンやインドネシアなどから、寄宿舎での子どもたちの世話や、教会学校の手伝いなど、たくさんの信徒宣教者が活動しています。また日本でも、日本で生活する移住者の世話のために、フィリピンなどから信徒宣教者が派遣されてきています。
 教皇は今月の意向の中で、「信仰に生きる信徒が創造性を発揮して立ち向かい、固有の使命を全うすることができますように」と祈るように奨めています。今週は、JLMMなどの自分の国から離れてボランティア活動をする信徒宣教者のために、心を尽くして祈りをささげてまいりましょう。