2018年7月  3.司祭の食生活と健康
 農林水産省のウェブサイトに「実践食育ナビ」というページがあります。その中の食事の一日分の適量の表を見ると、成人男性(18歳〜69歳)は2,400kcalから3,000 kcalで、主食を6〜8つ、副食を6〜7つ、主菜を4〜6つ、牛乳・乳製品を2〜3つ、果物を2〜3つ摂取するように勧められています。この適量を私たちは毎日きちんと摂取できているでしょうか。ついつい朝食を抜いて、昼は外食で済ませ、夜は接待を受けて宴会となると、適量が示している品数には到底およばない毎日が続いてしまいがちになります。さらに、この「実践食育ナビ」では、単身者の方へというページを設けて、「健康は食事から!朝食は欠かさず、野菜をたっぷりと」と呼びかけています。
 食事の際の飲酒が習慣化し、アルコール依存症となる危険性は、家族とともに生活している人に比べて単身者のほうがはるかに高いといった調査結果もあります。酒の肴をつまみながらの単独の飲酒は、酒量を制限しにくいからだと、その原因を分析しています。独身男性は妻帯者に比べて約5倍も飲酒に費やしているといった統計もあります。単身者は飲酒のルールを自らに課すべきだと、調査報告書は結んでいました。
 司祭が修道院で生活する場合は、バランスのよい食事と適量の飲酒を保ちながら、身体的な健康に配慮することはできるでしょう。しかし、小教区を担当する司祭の多くは、まさに単身で生活している場合がほとんどです。教会の司祭館で賄(まかな)いを担当する方が、住み込みで、あるいは通いで働いていた時期もありましたが、今日ではそのようなケースがだんだん減ってきています。簡素で謙遜な生活様式が求められている司祭ですから、ついついバランスを欠いたカロリーの低い食事になりがちです。
 今月の教区の意向は、教会での奉仕に疲れを感じ、孤独に陥っている司祭のために祈ることです。私たち皆で、司祭の食事と飲酒に関心をよせ、ふさわしい食生活が保たれるように配慮して参りましょう。そして、司祭の身体の健康のために、ともに祈りをささげてまいりましょう。