2023年3月  5.児童虐待の定義
 教皇の意向も、そして日本の教会の意向も、虐待を取り上げて、その犠牲となった人々に慰めと励ましが与えられますようにと祈る1か月でした。
 教会の関係者の中で弱い立場に置かれている子どもに対する虐待が行われていた事実が明るみに出されてからは、心を痛めるとともに、ともにゆるしを願いながら過ごしてまいりました。
 ここで、どのような行いが児童虐待にあたるかを確認して、その兆候が少しでも見受けられたならば、早急に対応できるようにしておくことが大切だと考え、厚生労働省が提示している児童虐待の定義を確認しておくことにいたしましょう。
 児童虐待は以下のように4種類に分類されます。(厚生労働省のウェブサイトより)

 身体的虐待:殴る、蹴る、叩く、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束する など
 性的虐待:子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にする など
 ネグレクト:家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かない など
 心理的虐待:言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV)、きょうだいに虐待行為を行う など

 このように、殴る蹴るといった物理的な暴力だけでなく、態度や言葉によって子どもに威圧感や恐怖を与えることも虐待に含まれています。また、このような虐待を行う大人は、親や家族に限りません。教師や指導者も加害者となっています。しかも、ほとんどの場合が、密室で行われ、被害を受けた子どもは、その事実を伝える方法を持ち合わせていません。
 子どもの様子がおかしい、ふさぎ込んでいる、話しをしたがらない、目を合わせない、などといった小さな変化も見落とさずに、児童虐待から子どもを救うことも、心掛けていきたいものです。この思いを抱きつつ、祈りをささげてまいりましょう。