2023年5月  3.カ障連
 「カ障連」ということばを耳にしたことがあるでしょうか。日本カトリック障害者連絡協議会の略称で、1982年7月に京都で大会を開催して発足しました。教皇の意向は「教会の諸活動と諸団体」です。日本ではさまざまな活動、団体が宣教の使命を果たしていますが、意向に示されている「世の中の求めに応じた奉仕に、そのカリスマを捧げる」活動について、カ障連を例にとって確認することにいたしましょう。
 「宣教の使命」については、カ障連の会則第三条の目的で「本協議会は病者・障害者がカトリック精神にもとづき、生けるキリストの共同体の一員として、社会の福音化を目指す」とはっきりと掲げています。会員相互の親睦や交流、分かち合いや支え合いにとどまらず、目的を社会の福音化としている点は、教会の諸活動の大前提として理解することができるでしょう。
 「世の中の求めに応じた奉仕」についても、先駆的にそして柔軟に取り組んできています。現在はその役割を終えて活動は行っていませんが、1998年には「情報センター」を開設し、全国から相談の電話をかけることができるような窓口を開設しました。その活動から、精神障害者へのサポートが足りていないことに気づき、「オリーブの会」という名称で当事者の集い、家族の集いを開催し、いわゆるピア・カウンセリング(同じような立場や悩みを抱えた人たちが集まって、同じ仲間として相談し合い、仲間同士で支え合うことを目的としたカウンセリングのこと)の手法を用いた活動を継続しています。
 カ障連の活動を地域レベルで補完する教区レベルの団体も生まれました。また、3年に1度地域をめぐって全国大会(総会)を開催し、交流を持ちながら、ともに啓蒙と普及にあたってきました。コロナ禍で開催が延期されてきましたが、次回は長崎での開催が計画されています。
 カリスマ性については、言うに及びません。障害当事者が発信する信仰の体験は、常に光を放ちながら輝いています。
 カ障連を例にして、教会の諸活動と諸団体の原点を確認してみました。固有の使命に応えて社会の福音化のために働くすべての活動、団体、そしてそこに集う人々が、喜びのうちに生きることができるようにと、祈りを捧げてまいりましょう。