私の役目



私は肝臓病の患者です。20年前にC型肝炎と診断されました。

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肝炎が進むと、肝硬変や肝がんになります。C型肝炎の治療にはインターフェロンという薬を使いますが、この薬には、発熱、全身の痛み、不眠、うつ病など、とても強い副作用があります。私は二度のインターフェロン治療を行いましたが、治すことはできませんでした。


C型肝炎の原因はウイルスです。普通の生活で他の人にうつることはありません。しかし肝炎に対する無理解から、肝炎患者は就職や結婚などで様々な差別的扱いを受けます。私自身も病院で診療を断られ、とても悲しい思いをしたことがあります。肝炎患者は、差別を受けるのが怖くて、親族や友人にも自分の病気のことを言えないのです。


この国には300万人以上の肝炎患者がいるといわれています。多くの患者が、病気や治療、そして差別に苦しんでいます。私は患者仲間に「あなたは独りではありません」「いっしょに頑張りましょう」ということを伝えたくて、肝炎の情報を伝えるホームページを数年前から始めました。

多くの仲間が、助けを求めて連絡してきます。私はできる限りのアドバイスを行い、励まします。

うれしいことに、多くの仲間が完治していきました。そして、仲間に続いて私も完治できることを期待しました。

しかし、そうはなりませんでした。


C型肝炎患者には、治りやすい体質の人と、治りにくい体質の人がいます。

検査の結果、私は特に治りにくくて、今の治療では治せないことがわかりました。


結果を聞いて、とてもがっかりしました。でも、考えて、考えて、気が付きました。

私はこの病気のおかげで、人の苦しみや悲しみを知ることができ、多くの仲間と心の交流をすることができました。また、患者仲間を支えるために行動している、すばらしい人たちとも知り合うことができました。

私が治らないということは、これからも仲間を支える役目を続けることになります。

それは「まだ治る時ではない。仲間を励まし続けなさい」と、神様から言われているのかもしれません。


いつか私にも完治できる日がくるでしょう。それが他の患者仲間が完治できる日でもあってほしいと、私は願っています。そして、それは神様の願いでもあるに違いありません。

 

(50代 男性 会社員)