痛むことで学んだ感謝
 私は社会人6年目になります。一般では仕事のしかたにも十分慣れて、さあこれから本番…、という時期なのでしょうが、最近の私は、仕事を減らす生活をしています。
 この2年ほど、忙しい部署におり、毎日朝から翌朝まで仕事をするような生活や、何ヶ月も休みの取れない時期が続いていました。そのせいか、忙しさが和らいだ後も、それまでの夜も昼もない生活習慣が身体に残ってしまい、昼夜のリズムが逆転したようでした。
・日中、頭は動いているのに身体が眠っていて、仕事の能率が下がっていく
・逆に、休日の夜に早く寝ようとしても夜明け近くまで寝付けない
といったことが続くようになり、自分の周囲の人々への接し方がきつい調子になってゆくのが自分でも判るくらいでした。
 思い切って、心療内科の先生に症状を説明したところ「慢性的な睡眠不足で、ちゃんと休んだほうがいい。職場で長持ちしたいのなら、挫折感はあるかもしれないが、しばらく、仕事を減らして夜普通に寝る生活をしなさい」と言われました。上司にもその事を打ち明け、しばらく仕事量を減らしてもらえないかと相談したところ、快く聞き届けてもらいました。
 こうして、仕事を続けながら、周囲の人よりも早めに帰宅し、薬も使いながら、十分な睡眠をとる生活を2ヶ月ほど続けています。おかげで体調はかなり良くなり、頭も身体も、動きが良くなりました。
 今もまだ、これまでと同じようには仕事ができないという焦りは確かにありますが、希望して就職した職場です。今後も長く働くことを考えると、今は思い切って自分を休ませることが、長期的にはいい効果をもたらすのではないかと思っています。
 それ以上に、毎日実感するのは、上司をはじめ、周囲の人々への感謝の気持ちです。皆同じように忙しい職場で、私一人仕事を減らす(=周囲の人たちの仕事が増える)ことを受け入れていただいています。自分の仕事がきつく、余裕がなかった頃は、自分だけが重荷を負っているような気持ちから、周囲の仲間を思いやることなど考えず、まして自分に向けられた様々な厚意に感謝するという気持ちは、まるで持っていなかったように思います。それが今、自分が「痛む」ことで、初めて周囲に感謝すること、そこから、「痛み」に共感することの大切さを学びました。
 人それぞれ、身を置いている環境は様々だとは思いますが、緊張しきった自分のペースを、時に弛めることが必要だと思います。そして、互いにそういう瞬間が必要なことを認め合える場を創り出せるよう、人の「痛み」や「苦しみ」に気づき、理解することが本当に必要だと感じています。
〈28歳男性 公務員〉
* ふりかえりのヒント*
1.自分自身、あるいは身の回りに、このような状況にある人に出合ったことがありますか。
2.この人の体験から、学ぶことは何でしょうか。また大切な人に、もしアドバイスをするとしたら、どんなアドバイスをしますか。
(出来事に聴く 119 2007/8/10)