アッバ、父よ
 神の名を表すのに、どんな名前を用いても、十分に表現することはできません。旧約時代には、御名を十分に表現できないので、母音のない4つの文字で表しました(YHWH)。
 ヒンドゥー教では、神の名を「オーム」と呼びますが、そのオーはアルファベットの最初の文字で、ムはその最後の文字です。神の名にふさわしい言葉がないので、初めと終り、すなわちすべてであり、すべてを包む方であることを表現しているのです。
 聖書では、神はたくさんの名前で呼ばれています。例えば、「父」「母」「牧者」「岩」「光」等々。私もその名を呼び、何回も繰り返しながら、神に近づくことができます。しかし、神が一番呼んでもらいたい名は、「アッバ、父よ」(マルコ14章36節参照)なのです。それは子供が「父ちゃん」と呼ぶのと同じことです。呼吸に合わせながら、イエスと同じように「アッバ、父よ」と呼ばせていただく時こそ、神がその親しさを感じさせてくださるでしょう。
イシドロ・リバス 著 「祈りを深めるために(その1)―自分の人生の中で―」(新世社)
『神と親しくなるために』 より
写真: 山野内 倫昭
(生活の霊性-祈りを深めるために 28)