1月9日 主の洗礼

第一朗読  イザヤ書 40:1-5、9-11
慰めよ、わたしの民を慰めよとあなたたちの神は言われる。
エルサレムの心に語りかけ彼女に呼びかけよ 苦役の時は今や満ち、彼女の咎は償われた、と。
罪のすべてに倍する報いを主の御手から受けた、と。呼びかける声がある。
主のために、荒れ野に道を備えわたしたちの神のために、荒れ地に広い道を通せ。
谷はすべて身を起こし、山と丘は身を低くせよ。険しい道は平らに、狭い道は広い谷となれ。
主の栄光がこうして現れるのを肉なる者は共に見る。主の口がこう宣言される。
高い山に登れ良い知らせをシオンに伝える者よ。
力を振るって声をあげよ良い知らせをエルサレムに伝える者よ。声をあげよ、恐れるなユダの町々に告げよ。
見よ、あなたたちの神かみ見よ、主なる神。彼は力を帯びて来られ御腕をもって統治される。
見よ、主のかち得られたものは御もとに従い主の働きの実りは御前を進む。
主は羊飼いとして群れを養い、御腕をもって集め小羊をふところに抱き、その母を導いて行かれる。

第二朗読  テトスへの手紙 2:11-14、3:4-7
(愛する者よ、)すべての人々に救いをもたらす神の恵みが現れました。その恵みは、わたしたちが不信心と現世的な欲望を捨てて、この世で、思慮深く、正しく、信心深く生活するように教え、また、祝福に満ちた希望、すなわち偉大なる神であり、わたしたちの救い主であるイエス・キリストの栄光の現れを待ち望むように教えています。キリストがわたしたちのために御自身を献げられたのは、わたしたちをあらゆる不法から贖い出し、良い行いに熱心な民を御自分のものとして清めるためだったのです。
しかし、わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。

福音朗読  ルカによる福音書 3:15-16、21-22
(そのとき、)民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。
民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると、天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た。すると、「あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者」という声が、天から聞こえた。

祈りのヒント
今日の福音で、洗礼者ヨハネはイエスのことをこう言っています。
「わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。
その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。」
民衆が皆、メシアを待ち望んでいて、洗礼者ヨハネこそがそのメシアではないかと考えていたそのような時に、ヨハネは人々がイエスの方に目を向けることを望みます。
このようなヨハネの姿、姿勢に、あやかりたいものです。イエスは“聖霊と火で洗礼をお授けになる”とヨハネが言いますがどういうことなのでしょう。ちょうどこの時期、主の洗礼の時期は日本では一番寒い季節です。寒くなると、陽のぬくもりやストーブの暖かさ、コップに入れた熱いお湯のぬくもりがとってもありがたく感じられます。同じように、わたしたちのこころも冷えていくと温めるものが必要になります。
それで、イエスはわたしたちのこころを温めてくださると、ヨハネが言っているように感じます。どのようにしてでしょうか?

「民衆が皆洗礼を受け、イエスも洗礼を受けて祈っておられると……」
イエスは、わたしたちのただ中に来られます。わたしたちと一緒。一緒の道を歩んでくださいます。そして、わたしたちが祈る時、イエスも共に祈ってくださいます。
そうすると……
「天が開け、聖霊が鳩のように目に見える姿でイエスの上に降って来た。すると、
あなたはわたしの愛する子、わたしの心に適う者という声が聞こえた」のです。

昔、聖地ルルドを訪ねた時のことを思い出します。2月の寒い時期でした。訪問の終わりごろに、ルルドの水浴びに行きました。両脇を二人の方に抱えてもらい、一緒にお祈りしながら小さな池のような水の中にジャボンと入れてもらいました。そこを訪れた人たち皆と同じように。その時わたしは24歳でしたが、まるで小さな子供になった気分でした。とても寒かったので、風邪をひいて2、・3日ルルドの旅館でゆっくり休み、最後にもう一度ルルドの岩屋を訪問し帰るようにしました。たくさんの人が来ていましたが、中に、車いすに乗った小さな子供とそのお母さんがいて、お母さんがルルドの水を子供の額につけてあげていました。その光景を見て、わたしのこころは温たかくなりました。

「あなたはわたしの愛する子。わたしの心に適う者」
と、神さまの声が、昔も今も、天に、この地上に
わたしたちのこころに響きわたりますように。

(日曜日のみことば 2022-01-09)

 

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