日曜日のみことば
11月14日 年間第33主日
第一朗読 ダニエル書 12:1-3
その時、大天使長ミカエルが立つ。彼はお前の民の子らを守護する。その時まで、苦難が続く 国が始まって以来、かつてなかったほどの苦難が。しかし、その時には救われるであろう お前の民、あの書に記された人々は。多くの者が地の塵の中の眠りから目覚める。ある者は永遠の生命に入り ある者は永久に続く恥と憎悪の的となる。目覚めた人々は大空の光のように輝き 多くの者の救いとなった人々はとこしえに星と輝く。
第二朗読 ヘブライ人への手紙 10:11-14、18
すべての祭司は、毎日礼拝を献げるために立ち、決して罪を除くことのできない同じいけにえを、繰り返して献げます。しかしキリストは、罪のために唯一のいけにえを献げて、永遠に神の右の座に着き、その後は、敵どもが御自分の足台となってしまうまで、待ち続けておられるのです。なぜなら、キリストは唯一の献げ物によって、聖なる者とされた人たちを永遠に完全な者となさったからです。
罪と不法の赦しがある以上、罪を贖うための供え物は、もはや必要ではありません。
福音朗読 マルコによる福音書 13:24-32
(そのとき、イエスは弟子たちに言われた。)「それらの日には、このような苦難の後、
太陽は暗くなり、月は光を放たず、星は空から落ち、天体は揺り動かされる。
そのとき、人の子が大いなる力と栄光を帯びて雲に乗って来るのを、人々は見る。そのとき、人の子は天使たちを遣わし、地の果てから天の果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。
いちじくの木から教えを学びなさい。枝が柔らかくなり、葉が伸びると、夏の近づいたことが分かる。それと同じように、あなたがたは、これらのことが起こるのを見たら、人の子が戸口に近づいていると悟りなさい。はっきり言っておく。これらのことがみな起こるまでは、この時代は決して滅びない。天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。
その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。父だけがご存じである。」
祈りのヒント |
今日の福音で、次のみ言葉が私の心に響いてきました。 「このような苦難の後、たちまち 太陽は暗くなり、月は光を放たず 星は空から落ち、天体は揺り動かされる。 ・・・はっきり言っておく。・・・天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」このみ言葉を祈り、心の中で繰り返し味わっていると、約5、6年前に東北・宮城を訪ねた時のことが思い出されました。友人のおかげで、ある小さな森に住んでおられる木こりのおじさんに出会うことができました。東日本大震災の後ずっと、ご自分の家の裏山の木や竹を切って、それを削り、手を合わせて祈る人の置物を作り続けておられました。そのおじさんの家の入口に置かれていた、手のひらに載るほどの小さなお地蔵さんに目がとまりました。 「これは、何ですか?」と尋ねると、「これは、津波に遭った私の実家に置かれていたものです。震災後、実家を見に行くと、家は倒れておらず、この地蔵も流されていなかったのです。それで、これに“波切地蔵”と名をつけて、こちらの我が家へ持って帰ってきました。」 おじさんは、その地蔵さんを手に取って見せてくれました。そのお地蔵さんの背中に何か字が書かれているのに気が付きました。こう、書かれていました。 「愛といつくしみ」今日の福音で語っているイエスの思い。 イエスは、時々言います。“はっきり言っておく”と。 “この言葉をよく耳に入れ、心に刻んでおきなさい”と、言われているように感じます。 わたしの言葉・・・イエスの思いから溢れる言葉・・・は、決して滅びない。 それは、まさしく、愛と慈しみの言葉です。すべてのものが取り去られたと思われるような時であっても、決して滅びることなく 私たちの上に恵みとして注がれ続ける、イエスの愛と慈しみ。 木こりのおじさんが彫り続けておられたあの祈りの人の置物のように、手を合わせて 恵み深い主に感謝せよ。慈しみはとこしえに。 |
(日曜日のみことば 2021-11-14) |