11月4日 年間第31主日

第一朗読  申命記 6:2-6
(モーセは民に言った。) あなたもあなたの子孫も生きている限り、あなたの神、主を畏れ、わたしが命じるすべての掟と戒めを守(るなら、)長く生きる。イスラエルよ、あなたはよく聞いて、忠実に行いなさい。そうすれば、あなたは幸いを得、父祖の神、主が約束されたとおり、乳と蜜の流れる土地で大いに増える。聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留め(なさい。)

第二朗読  ヘブライ人への手紙 7:23-28
(皆さん、)レビの系統の祭司たちの場合には、死というものがあるので、務めをいつまでも続けることができず、多くの人たちが祭司に任命されました。しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。
このように聖であり、罪なく、汚れなく、罪人から離され、もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、わたしたちにとって必要な方なのです。この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。

福音朗読  マルコによる福音書 12:28b-34
(そのとき、一人の律法学者が進み出て、イエスに尋ねた。)「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

祈りのヒント
 「幼い頃の性格は年を取ってからも変わらない」という意味で使われる言葉として「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。私は、母から「子供の時に親から十分な愛情を持って育てられた子は、人に対しても愛情を与えることができる」と聞いたことがあります。人を愛するということは、私たちがおん父から頂いた大きなプレゼントなのかもしれません。律法学者がイエスのところにきて「すべての掟のうちで、どれが第一の掟ですか」と質問します。彼らがいう掟とは、【律法】のことですが、この律法は613もの掟がありました。この掟の中からどれが一番大事な掟なのかということは、律法学者の中でも重要な問題だったようです。イエスは、律法学者の質問に対して第一の掟として「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。」と言われます。この言葉は、申命記6章4節に書かれてある言葉ですが、ユダヤ人たちは、この言葉が書かれたものを小箱に入れて、手に巻いたり、額につけたりして祈り、または、家のドアにつけたりといつも身近なところに置いていました。ユダヤ人たちはこの言葉を誰でもよく知っていたのです。
次にイエスは、第二の掟として「隣人をあなた自身のように愛せよ」と言われます。イエスは、主なる神を愛し、さらに隣人を愛することを大切な【掟】として伝えられます。パウロは、「あなた方の体を、神に喜ばれる聖なる犠牲(いけにえ)としてささげなさい。これこそあなた方にふさわしい礼拝です。」(ローマ12・2)と言っています。このことは、イエスが言われる「隣人愛」ではないでしょうか。 また、パウロは、「対抗意識をもったり、見栄を貼ったりせず、へりくだって、互いに相手を、自分より優れたものと思いなさい。各々、自分のことだけではなく、他人のことにも目を向けなさい」(エフェソ2・2〜3)と伝えています。私たちは、「隣人を愛しなさい」と言われても具体的にどうすればいいのかピンときません。厄介なことに、私たちは、どうしても自分たちの楽しみや幸せを優先する傾きが出てしまいます。そのような時、ちょっと横の人に目を向けることができたらいいですね。
(日曜日のみことば 2018-11-04)

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