12月12日 待降節第3主日

第一朗読  ゼファニヤ書 3:14-17
娘シオンよ、喜び叫べ。イスラエルよ、歓呼の声をあげよ。
娘エルサレムよ、心の底から喜び躍れ。主はお前に対する裁きを退け お前の敵を追い払われた。
イスラエルの王なる主はお前の中におられる。お前はもはや、災いを恐れることはない。
その日、人々はエルサレムに向かって言う。
「シオンよ、恐れるな 力なく手を垂れるな。お前の主なる神はお前のただ中におられ 勇士であって勝利を与えられる。
主はお前のゆえに喜び楽しみ 愛によってお前を新たにし お前のゆえに喜びの歌をもって楽しまれる。」

第二朗読  フィリピの信徒への手紙 4:4-7
(皆さん、)主において常に喜びなさい。重ねて言います。喜びなさい。あなたがたの広い心がすべての人に知られるようになさい。主はすぐ近くにおられます。どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。

福音朗読  ルカによる福音書 3:10-18
(そのとき、群衆はヨハネに、)「わたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。ヨハネは、「下着を二枚持っている者は、一枚も持たない者に分けてやれ。食べ物を持っている者も同じようにせよ」と答えた。徴税人も洗礼を受けるために来て、「先生、わたしたちはどうすればよいのですか」と言った。ヨハネは、「規定以上のものは取り立てるな」と言った。兵士も、「このわたしたちはどうすればよいのですか」と尋ねた。ヨハネは、「だれからも金をゆすり取ったり、だまし取ったりするな。自分の給料で満足せよ」と言った。
民衆はメシアを待ち望んでいて、ヨハネについて、もしかしたら彼がメシアではないかと、皆心の中で考えていた。そこで、ヨハネは皆に向かって言った。「わたしはあなたたちに水で洗礼を授けるが、わたしよりも優れた方が来られる。わたしは、その方の履物のひもを解く値打ちもない。その方は、聖霊と火であなたたちに洗礼をお授けになる。そして、手に箕を持って、脱穀場を隅々まできれいにし、麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる。」ヨハネは、ほかにもさまざまな勧めをして、民衆に福音を告げ知らせた。

祈りのヒント
今日の福音でルカは、洗礼者ヨハネのところに実に多くの人、様々な人が洗礼を受けにきた様子を語っています。
ヨハネはその人々に、服や食べ物を持っていない人に持っている人は分かち合うように、また徴税人には「規定以上のものは取り立てるな」と、兵士には「金をゆすり取ったり、だまし取ったりせず、自分の給料で満足せよ」と呼びかけます。徴税人も兵士もヨハネの勧めに耳を傾けたいと願うほど、人の心に訴えかけるものを、ヨハネはいただいていたのでしょう。
しかし、そのヨハネは自分のことは何一つ言わず、イエスのことを人々に告げ知らせます。

「わたしよりも優れた方が来られる」
「その方は、聖霊と火で洗礼をお授けになる」と。

聖霊と火……主の霊と主の愛……。
私たちにとって最も大切なもの。それは、主の霊と主の愛。それなしでは、私たちが他の人を本当に大切にして生きることができない。

そしてヨハネは、麦と殻のたとえ話をしてくれます。
私は麦のことはよく知りませんが、お米のことは少し知っています。先月、お米のもみすりの後に出たたくさんのもみ殻を袋に入れる仕事を手伝いました。もみ殻を畑で使えるようにするためです。もみ殻はとてもあたたかいです。父はお百姓で、毎年秋に玉ねぎの苗作りをします。畑にもみ殻をたくさん敷き、竹を組んで火をつけ、もみ殻焼きをします。そうすると土が焼けて草が生えにくいので、苗がいいように育ちます。しかし、もみ殻を焼くのは容易ではありません。火が点きにくく焼けるのに時間がかかります。でも、一旦火が点き燃え始めると多少の雨が降っても、消えることがありません。そして焼けた土と殻の灰は手に取ると、とっても柔らかく種を蒔くのに最良の土になります。

ヨハネは言います。
「麦を集めて倉に入れ、殻を消えることのない火で焼き払われる」と。
主の愛は、私たちのこころのうちで燃え始めると、消えることがない。
私たちのこころを、あたたかく、そしてやわらかくしてくれます。

イエスの愛で、私たちのこころが
あたたかくなるように。
主の愛を、信じて。

(日曜日のみことば 2021-12-12)

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