3月14日 四旬節第3火曜日

第一朗読  ダニエル書補遺 アザルヤ 2:11-20
(その日、アザルヤは)火の中で、口を開いて次のように祈った。
「(主よ、)あなたの御名のゆえに 我らを決して見捨てることなく、あなたの契約を取り消さないでください。
あなたの愛されたアブラハムと あなたの僕イサクと あなたの聖なるイスラエルとに免じて、あなたの憐れみを、我らから取り去らないでください。あなたはこの先祖たちに、子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やす、と言われました。ところが、主よ、我らはどの民よりも少なくなり、我らの罪のゆえに、今日、全地で卑しめられています。今や、高官も預言者も指導者もなく、焼き尽くす献げ物もいけにえも 供え物も香もなく、憐れみを得るために 献げ物を御前に供える所もありません。 ただ、砕かれた魂とへりくだる心をもつ我らを、受け入れてください。焼き尽くす献げ物の羊と牛のように、幾万の肥えた小羊のように、今日の我らのいけにえが、御前に受け入れられますように。あなたに従う我らの歩みを全うさせてください。あなたに信頼する者は辱められないからです。今や、我々は心からあなたに従い、あなたを畏れ、御顔を求めます。 我らを辱めず、むしろ、寛容と豊かな憐れみをもって我らに臨んでください。 驚くべき御業をもって、我らを救い、主よ、御名の栄光を輝かせてください。」

福音朗読  マタイによる福音書 18:21-35
そのとき、ペトロがイエスのところに来て言った。「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか。七回までですか。」イエスは言われた。「あなたに言っておく。七回どころか七の七十倍までも赦しなさい。そこで、天の国は次のようにたとえられる。ある王が、家来たちに貸した金の決済をしようとした。決済し始めたところ、一万タラントン借金している家来が、王の前に連れて来られた。しかし、返済できなかったので、主君はこの家来に、自分も妻も子も、また持ち物も全部売って返済するように命じた。家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返しします』としきりに願った。その家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、その借金を帳消しにしてやった。ところが、この家来は外に出て、自分に百デナリオンの借金をしている仲間に出会うと、捕まえて首を絞め、『借金を返せ』と言った。仲間はひれ伏して、『どうか待ってくれ。返すから』としきりに頼んだ。しかし、承知せず、その仲間を引っぱって行き、借金を返すまでと牢に入れた。仲間たちは、事の次第を見て非常に心を痛め、主君の前に出て事件を残らず告げた。そこで、主君はその家来を呼びつけて言った。『不届きな家来だ。お前が頼んだから、借金を全部帳消しにしてやったのだ。わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか。』そして、主君は怒って、借金をすっかり返済するまでと、家来を牢役人に引き渡した。あなたがたの一人一人が、心から兄弟を赦さないなら、わたしの天の父もあなたがたに同じようになさるであろう。」

祈りのヒント
自力の我慢や努力で赦そうとしても限界があるが、神の無償の愛には限界がない。
主を見捨てて逃げたペトロを、復活の主は赦してくださった。
赦されることが深い、深い、無償の愛であることを、彼は真髄で悟ったことだろう。
百デナリオンを赦せないわたしたちの心が、借金(罪)の大きさをはるかに超える赦しの中で打ち砕かれていく。そのとき、赦せない心に縛られていた牢の扉は、自ずと開かれるのではないだろうか。
(毎日のみことば 2023-03-14)

 

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