5月2日 復活節第5主日

第一朗読  使徒言行録 9:26-31
(その日、)サウロはエルサレムに着き、弟子の仲間に加わろうとしたが、皆は彼を弟子だとは信じないで恐れた。しかしバルナバは、サウロを連れて使徒たちのところへ案内し、サウロが旅の途中で主に出会い、主に語りかけられ、ダマスコでイエスの名によって大胆に宣教した次第を説明した。それで、サウロはエルサレムで使徒たちと自由に行き来し、主の名によって恐れずに教えるようになった。また、ギリシア語を話すユダヤ人と語り、議論もしたが、彼らはサウロを殺そうとねらっていた。それを知った兄弟たちは、サウロを連れてカイサリアに下り、そこからタルソスへ出発させた。
こうして、教会はユダヤ、ガリラヤ、サマリアの全地方で平和を保ち、主を畏れ、聖霊の慰めを受け、基礎が固まって発展し、信者の数が増えていった。

第二朗読  ヨハネの手紙 一 3:18-24
子たちよ、言葉や口先だけではなく、行いをもって誠実に愛し合おう。
これによって、わたしたちは自分が真理に属していることを知り、神の御前で安心できます、心に責められることがあろうとも。神は、わたしたちの心よりも大きく、すべてをご存じだからです。愛する者たち、わたしたちは心に責められることがなければ、神の御前で確信を持つことができ、神に願うことは何でもかなえられます。わたしたちが神の掟を守り、御心に適うことを行っているからです。その掟とは、神の子イエス・キリストの名を信じ、この方がわたしたちに命じられたように、互いに愛し合うことです。神の掟を守る人は、神の内にいつもとどまり、神もその人の内にとどまってくださいます。神がわたしたちの内にとどまってくださることは、神が与えてくださった“霊”によって分かります。

福音朗読  ヨハネによる福音書 15:1-8
(そのとき、イエスは弟子たちに言われた。)「わたしはまことのぶどうの木、わたしの父は農夫である。わたしにつながっていながら、実を結ばない枝はみな、父が取り除かれる。しかし、実を結ぶものはみな、いよいよ豊かに実を結ぶように手入れをなさる。わたしの話した言葉によって、あなたがたは既に清くなっている。わたしにつながっていなさい。わたしもあなたがたにつながっている。ぶどうの枝が、木につながっていなければ、自分では実を結ぶことができないように、あなたがたも、わたしにつながっていなければ、実を結ぶことができない。わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである。わたしにつながっていない人がいれば、枝のように外に投げ捨てられて枯れる。そして、集められ、火に投げ入れられて焼かれてしまう。あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。あなたがたが豊かに実を結び、わたしの弟子となるなら、それによって、わたしの父は栄光をお受けになる。」

祈りのヒント
 6月頃から10月頃にかけて、果物売り場にはぶどうが並びます。また、この時期は「ぶどう狩り」を楽しまれる方も多いのではないでしょうか。ちょっと腰をかがめて、枝にたわわに実ったぶどうに手を添え、ハサミで切り取り、それを口に入れた瞬間、口の中に広がる甘酸っぱいぶどうの味、そして、鼻腔をくすぐるあの香りは、なんとも言えません。
ぶどうは、日本では食べる方が多いようですが、聖書の中では食べ物というよりも、ぶどう酒として用いられる大切な果物のようです。イエスは、ぶどう園で働く農夫や、皮袋に入れたぶどう酒など、ぶどうに関連するたとえを用いられます。それほど、パレスチナ地方でぶどうは誰でも知っている身近な果物であったようです。
きょうのみことばの中には、【つながる】という単語が目に留まります。この【つながる】という単語は、ただ何かにくっついている、接しているというよりは、「しっかりと深いところまで食い込んでいる」というような意味があるようです。イエスは、「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ。わたしを離れては、あなたがたは何もできないからである」と言われます。
イエスが「……その人は豊かに実を結ぶ」と言われる【ぶどうの実】とは、私たちにとっていったい何なのでしょうか。それは、私たち一人ひとりが御父から与えられた「使命」であり、「召命」と言ってもいいのではないでしょうか。私たちは、ぶどうの木であるイエスにしっかりとつながりながら、愛という養分で【豊かな実】をつけることができるのです。もちろん、私たちは使命(召命)を果たす(生きる)中で、さまざまな困難に出会うことがあります。そんな時、イエスは「望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる」と言われます。私たちは、この言葉に信頼し、イエスとしっかり【つながり】、ますます【豊かな実】を実らせることができたらいいですね。
(日曜日のみことば 2021-05-02)

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