こころの散歩

もうちょっとだけ大きな土地を

もうちょっとだけ大きな土地を

 ロシアの少年イワンは父親の小さな農場を相続しました。彼はもっと土地が欲しいと思っていました。ある日、立派な男がやって来て、もし君が日没までに出発地点に戻って来れたら、丸一日かけて歩いた土地を全部君にあげるけど、どうする?と持ちかけました。
 翌朝早く、少年は朝食も取らず、誰にも挨拶もせずに出発しました。彼の最初の計画は10Km四方の土地をカバーすることでした。彼が始めの10Kmを歩き終えたとき、計画を15Kmに変更しました。その後、更に20Km、次いで25Kmにと変更しました。それは日没までに100kmを歩き切らなければならないということを意味しています。昼までには50Kmを歩き切りました。更に、彼は食べたり飲んだりするために休みを取るということもせずに歩き続けました。彼の足は次第に重くなってきました。
 最終地点まであと1Kmになった時、まさに太陽が地平線に沈もうとしていました。あと数分しか残っていません。彼は最後の瞬間、全身の力を注ぎ込みました。そしてよろめきながらゴールラインをちょうどぎりぎりセーフで超えたのです。
 しかしその瞬間に彼は倒れてしまいました。心臓発作が起きたのです。こうして、彼が手に入れたものは結局60cm四方の土地でした・・・。欲張りの果てに死んでしまったのです。
 同じようなことが、今日何千人もの人々に起こっているのですが・・・・

“Tonne”より
  

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