こころの散歩

朝の祈り

朝の祈り

 ちょうど日課を唱える本がなかったので、朝課の時、フランシスコは兄弟レオに言った。「レオよ、本がないので神を賛美して過ごすため、私が言うとおり続けて言いなさい。」
 フランシスコ「兄弟フランシスコよ、お前はこの世で悪事を働き罪を犯したから、地獄に落ちることは間違いない。」
 兄弟レオ「神はあなたを通して多くの善行をされたから、あなたはきっと天国へ行かれます。」
 フランシスコ「私が言う通り続けて言いなさいと言ったではないか。」
 ところがそれからも反対のことばかり兄弟レオが言う。
 フランシスコ「なぜ教えた通り言えないのか。」
 兄弟レオ「言われるとおり答えようと決心していたのですが、いつも神様が、私の心のままにでなく、神御自身のみ心のままに私を通して語られるのです。」

  
画: ホアン・カトレット
  

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