こころの散歩

ライナー・マリア・リルケ

木の葉が落ちる
はるかかなたから 散り落ちてくるかのように

空の上の 遠い庭が 枯れはじめたのだろうか
無常の面影を 秘めて落ちる

夜半には 重い大地も
星々のうちから 孤独へと 落ちていく

われわれも みな 落ちる
他の人も また‥‥落ちる
そは すべてのさだめ

しかし この落ちゆくさだめを
限りなく やさしく
その手にうけとめている
大いなるひとりのおん者がある

(奥村 一郎 訳)
奥村 一郎 著 「祈りの心―愛の息吹―」(海竜社)より
  

ページ上部へ戻る