こころの散歩

自分の背中を足台に

自分の背中を足台に

 教育学の中では、叱ることよりも、またアドバイスを与えることよりもよい方法があります。それは生徒のために苦しむことです。
 ある寮生が毎晩、売春宿に通っていました。寮から出るために塀を乗り越えて、出かけていました。そのため、足台を使っていました。帰りも同じように足台を使って、塀の中に入っていました。誰もそのことを話していませんでしたが、寮長は知っていました。叱ろうと思いましたが、罰することは役に立たないとわかっていました。追い出そうとも思いましたが、それはただ、その生徒が立ち上がるチャンスを失うことだとわかりました。そこで、一つの方法を考えました。ある晩、生徒が足台を残して、売春宿に出かけた時、寮長は足台を取って、その代わりに自分がかがんで待ちました。生徒は戻ってきて、寮長の背中の上に飛び降りました。寮長は何も言わずに、お辞儀をしただけでした。どちらも何も言わず、謝りもしませんでした。しかし生徒は二度とその目的のためにでかけませんでした。すべては変わりました。寮長は生徒のために痛みを味わったからです。

  

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