2007年6月  4.船員のための祈り
 「船員」というと、陸で生活している私たちからは遠い存在のように感じられます。しかし、私たちの生活を支える衣食住から日用品にいたる生活物資の海外からの輸入量は年間11億トンにのぼります。輸入物資の90%は、船で運ばれています。つまり、「船員」の方々の働きがなければ、私たちの生活はおろか、生命さえも維持できないのです。
 「船員」の多くは、経済競争のなかでの低い賃金、限られた場所での過酷な労働、家族と離れた孤独な船上生活を強いられています。しかも、いつも危険と隣り合わせに生きています。外洋では海賊に襲われる恐怖も付きまとっています。戦争などによる危険海域でも同様で、昼夜を問わず、見張りを交替でたてなければなりません。
 また、船が港につき、数日停泊することがあるかもしれませんが、ほとんどの場合は数時間の停泊時間しかありません。陸に上がることができたとしても、言葉と習慣が分からずに戸惑います。事実、自分たちが招かれざる客だと感じてしまうことが多々あるようです。
 こうした厳しい状況の中で、私たちの生活を支えてくれている「船員」の方々を思い浮かべ、感謝の意を表すとともに、航海での安全を祈りましょう。

・親愛なる神よ、すべての「船員」を海上での危機や危険からお守りくださいますように。
・自然や霊的な嵐の中にあっても、心に平和と静けさをもつことができますように。
・家族や愛する者から、また自分の国から、何週間も何ヶ月も遠く離れていても、いつくしみ深い神から決して離れることがありませんように。
・長期間にわたって離れて生活している家族の一人ひとりを、神が守ってくださいますように。

 教会は、7月第2日曜日を「船員司牧の日(Sea Sunday)」とし、世界中のキリスト者に船員の方々のために祈るように呼びかけています。
参照:日本における「船員司牧」の手引き