2007年9月 1.救いの歴史と旅 |
![]() また、イエスご自身、救い主として、故郷を離れた旅先で、家も部屋もない貧しさの中で生まれました。さらに、ヘロデ王の野心とねたみのため、遠くエジプトに難を逃れなければなりませんでした。救い主は、誕生をめぐる苦しい旅の道程で、神の民の原体験を自らの生涯の初めに引き受けたのです。 イスラエルの民は、長い旅の歴史の中で多くの苦しみを体験します。彼らは、苦しみの原因を自らの罪や弱さの中に見つめました。そして、彼らのそうした罪深さや弱さにもかかわらず、けっして民を見捨てることなく、救いの手を差し伸べ導いてくださる神に出会うのです。人の子としてこの世に遣わされたイエスは、地上の生活がもたらすいっさいの苦しみを引き受け、その中に、救いへの道を備えてくださいました。 現代の移住・移動者たちは、私たち一人ひとりも永遠の救いを求めながら、この世を旅する旅人であることを思い起こさせてくれます。この旅の途中、さまざまな弱さや限界を経験しながら、そこに神のゆるしと導きを見出し、希望を新たにしていくのです。彼らが経験する毎日の重荷を分かち合いながら、共に救いの旅を歩んでいきたいものです。 |