2007年9月  4.神の民の集い
 教会は過越の神秘の成就である「聖霊降臨」から始まりますが、それは、実に象徴的な諸民族の集会でした。パウロは後にこう述べています。「そこには、もはや、ギリシア人とユダヤ人、割礼を受けた者と受けていない者、未開人、スキタイ人、奴隷、自由な身分の者の区別はありません」(コロサイ3・11)。キリストは、「二つのものを一つにし・・・隔ての壁を取り壊」す(エフェソ2・14)のです。

 私たちの身近にも、外国人の姿が目だって多くなってきました。教会では、少なくとも数の上からは、すでに半数以上を移住移動者が占めています。彼らは、時折教会を訪れる「お客さん」ではなく、私たちと共に教会を構成する家族の一員となっているのです。それは、聖霊降臨で始まった、さまざまな人が集まる神の民の集いとしての教会の姿といっていいでしょう。

 ところが、私たちの教会は、長い間日本人だけで構成されてきたので、今、移住移動者をどう受け入れていったらいいのか戸惑っています。それは、単に数だけの問題ではありません。彼らは独自の文化や習慣、信仰生活の生き方を持ってきます。異質なものに触れることに不慣れな私たちは、彼らとどのように接し、どのように付き合ったらいいのか迷い、時には混乱することも少なくありません。

 もう一度、教会の本来の姿を思い起こしましょう。キリストは「二つのものを一つ」になさるのです。違いは敬遠すべきものではなく、私たちの教会をより豊かにしてくれる恵みです。「隔ての壁を取り壊」した時、お互いが理解し合い、分かち合うことの喜びに満たされた共同体に変えられていきます。私たちに与えられたこの新しい家族と共に、より豊かな教会共同体を築いていくために祈りたいものです。