2008年1月  3.相手に対する思いやり
 みずからの信仰を、しっかりと見つめている人は、他の人びとの生き方をも尊敬して受けいれることができるようになります。相手の立場を理解する度量の広さが大切です。相手が信じている宗教を認めることができるキリスト者は、どんな相手をも大切に受けいれてあたためる神さまの関わり方を、知らず知らずのうちに真似しているのかもしれません。深い思いやりを生きることができるのです。
 対話とは、自分の信仰体験を大切にしながらも相手の立場にも理解を示すことから始まります。自分が信じていることを大切にしてひたすら生きることと、相手の想いをひたすら聴くことは決して矛盾しません。たとえば、マザー・テレサの生き方を想い出してみてください。マザーは、常に聖書を大切に読み返しながら深い黙想を積み重ねることで、聖霊の導きを敏感に受け取り、御子イエス・キリストと出会いつつ御父のいつくしみを発見しました。こうして、ゆるぎない信仰心に支えられたマザーは、どんな相手に対しても丁寧に接し、相手の気持を大切に聴き取りました。
 ゆるぎない信仰心と相手に対する思いやりが両立することは、ユダヤ教の人やイスラム教の人やヒンズー教の人や仏教の人も自らの信仰心を深めつつ他宗教の人びととも協力して世界の平和を目指していることからも理解できます。