2008年10月  1.シノドスのために
 この10月にシノドスが開催されます。そのテーマは「みことばと教会のいのち」です。
 シノドスという言葉は、ギリシャ語で「集まる」という意味です。カタカナで書くので、その意味が分かりにくいのですが、「司教代表者会議」のことです。

 各国の司教団は、代表を選んで、ローマでの会議に派遣します。代表となった司教たちは、会議の前に他の司教と与えられたテーマについて深め、その助けを受けて論考を執筆し、会議の二週間前までにバチカンに提出します。会議に参加する代表の司教たちは、ローマに行く時には、すでに全員の論考を読むことができる仕組みになっています。
 もちろん、テーマは一年前から決まっていて、すべての国の司教団には会議の概略が知らされます。司教団はそれを検討して、自国の意見をローマに送るわけです。ローマでそれらをまとめた上で、資料として代表となった司教たちに送ります。

 今回のテーマは聖書ですから、聖書学者、カトリック、プロテスタントとギリシャ正教の専門家が参加することになりますが、その構成は文書で、あるいは会議の場で発表されます。シノドスの正確な訳語は「司教代表者会議」に違いないのですが、信徒も参加しています。そこに参加する信徒たちは、聖書の知識、霊的生活において、聖職者と同じくらいの深さをもっているか、あるいは使徒的活動に大いに貢献したかですが、いずれにせよ、会議の場で信徒も発表の機会が与えられています。

 聖書は教会のためだけでなく、私たち信徒にとって毎日の心の糧であり、すべてのキリスト者の一致をもたらすものです。シノドスは、教会にとって新しいスタートとなり、また、聖書の光は今日の日本社会を照らして、救いの道を示してくれるでしょう。そして、聖書について深く理解するきっかけとなるでしょう。

 幸いにも、日本では多くの教会や修道院、また時には個人の家で、「聖書研究会」や、「聖書100週間」が行われています。聖霊はそのような集いを照らしてくださいます。
 皆で分かち合うことで、みことばが一人ひとりの心の中に深く響き、心の底からのなぐさめと、深い喜びをいただくことができますように、そして、その恵みを多くの人々と分かち合うことができますように、ともに祈って参りましょう。
 代表となった司教たちと心を合わせて、シノドスのために祈りましょう。
写真: 野町 和嘉