2008年10月  2.NICEをふり返る
 今から20年前、1987年11月23日、日本のカトリック教会は、4日間にわたって京都で開催された第1回福音宣教推進全国会議(NICE1)の幕を閉じました。そして今年の11月24日、NICE1から21年目を迎える第1日目に、日本の188名の殉教者が福者の列につくこととなります。宣教と殉教、この二つのことがらは、ともに主イエス・キリストへの愛と、神への信頼なしには、成し遂げることができないでしょう。司教協議会の呼びかけで、昨日(10月5日)から「列福をひかえ、ともに祈る7週間」が始まりました。そのことも心に抱きながら、毎日の奉献の祈りを「教会の宣教への参加」という意向とともに捧げたいと思います。

 日本の教会は、すべての人が大切にされる社会を築くこと、そして、そのために共に働く人々にキリストを伝え、洗礼に導くことを二つの基本方針として(1984年)、福音宣教推進全国会議を開催いたしました。
 その会議は、第2バチカン公会議後の教会の姿を、この日本の社会で具現化する契機となりました。テーマは「開かれた教会をめざして」でした。そして、会議は司教団に対して答申をまとめ、司教団は、「ともに喜びを持って生きよう」と題する書簡とともに、答申に書かれた提案を審議した結果を示しました。
 それぞれの教区でも、提案に対して独自の取り組みを行い、「福音宣教」の推進のために活動を続けているのです。

 書簡の題に示されたように、この会議の恵みは「ともに」生き、「ともに」歩むことの大切さでした。教会の中では、信徒、司祭、修道者、司教が、み国の完成を待ち望みながら、召し出しに応じて協力しながらそれぞれの使命を果たすことの大切さを、再確認しました。また、社会の中では、さまざまな環境の中にいる人びと、特に、周辺に追いやられたり、苦しめられたり、辱められたりしている人びとと「ともに」、より人間として相応しい生活を取りもどすことができるように活動することの重要性も、再確認しました。