2009年1月  1.家庭をうるおす愛
 家庭をうるおすものは、やはり愛です。愛がなければ、家庭が長く続かないはずです。
 愛とは何か、誰も考えたことがあるかと思いますが、東西にわたりおそらく使徒のパウロが皆に一番わかりやすい言葉で、愛を語っているような気がします(一コリント13章)。それは、三つのキーワードでまとめることができると思います。

1.おもいやり:自分の利益よりも、相手の利益を求めること。これは自分中心の考え方が当たり前となっている世の中では、なかなか難しいように思われます。しかし、やってみると、もしかすると、幸せにつながるかもしれません。

2.透明性:嘘をつかないこと。自分の顔をつぶさないためには、嘘は短期的に便利かもしれません。しかし、透明性によって長期的に好感を持たれ、信頼を得られるのです。それによって、人間の評価が決まると言ってもいいかもしれません。

3.譲り合い:我慢すること。我慢という言葉は、昔よく使われていました。人間教育の根本の一つとなっていたのです。あらゆる人間関係において、譲り合いと我慢は不可欠なものです。譲り合いの喜びを身につけなければなりません。

 パウロはこの愛の賛歌を終わるに当たって、「愛は滅びることがない」と結ぶのです。
 「愛は滅びることがない」ということは、雲をつかむようなおとぎ話ではありません。三つのキーワードを踏まえた上での現実的な成果です。

 愛についてのこの言葉は、キリスト教の信仰もたない人々にも当てはまります。また夫婦、兄弟、親戚などの家族親族の間ばかりではなく、友人関係などにも、広く当てはまると思います。「世界平和の日」で始まるこの一月を、「愛」について深めながら、家庭を大切にして過ごしてまいりましょう。
写真: 片柳 弘史