2009年3月 2.家族愛にあふれる女性ルツとナオミ |
旧約聖書「ルツの書」は紀元前450年頃に書かれたもので、モアブの女ルツの物語です。彼女はベトレヘム出身のマフロンに嫁いでいました。マフロンの父エリメレクは、以前飢餓のため妻ナオミと二人の息子(マフロンとキルヨン)を連れて肥沃な異邦人の地方(モアブ)に移住しました。そこでマフロンはルツと、キルヨンはルツの友人オルパと結婚しました。ナオミ、ルツ、オルパの三人の女性は夫に先立たれ、またルツとオルパには子どもがなく、未亡人になって相続権が与えられず、困窮しました。 ナオミは故郷のベトレヘムへ帰るために、嫁たちにモアブに残るように言いました。オルパはそれに従いましたがルツはナオミを助けるために、彼女と共に外国の地であるベトレヘムへ旅立ちました。ルツはレヴィラート婚の掟とナオミの望みに従い、親戚のボアズと結婚し、男の子オベドが生まれました。オベドはダヴィデの祖父となります。ルツは異邦人ですが、メシアの祖先になるという恵みが与えられます。 ナオミとルツは互いに尊敬し合い、仕え合いました。このような協力関係は多くの実りをもたらします。ルツは夫と愛し合い、姑の世話をするために外国に出かけ、そこで生活し、神からの恵みをいただきました。神に対する深い信頼とみ摂理に従う心がよく表われています。異邦人も含む神のすべての人に対する普遍的な慈しみや心遣いを感じます。 家庭崩壊が深刻な今の世界の中では、家庭を救うことができるのは女性であり、とくに母親と祖母でしょう。ときどき、女性の間ではねたみ、そねみ、うらやみが生じて対立が表れます。嫁と姑の問題は全世界で共通です。しかし、ナオミとルツの間に見られるように、お互いの尊敬、お互いの気配りがあふれるとき、円満な雰囲気ができて、協力によって素晴らしい関係が作られます。 しかしこのような関係は、ナオミはエリメレクに、ルツはマフロンに非常に大切にされ、愛されていたから可能になったことでしょう。男性と女性が互いに愛し合い、家庭のために時間と心を用いることも必要です。 家庭を支える女性たちのために祈りましょう。 |