2009年4月の意向
 受難から復活へ、苦しみから歓びへ、貧しさから豊かさへ、この転換には贖いの神秘があります。神秘の中に示される神のいつくしみに感謝しながら「きょう」、をささげて、毎日を神とともに過ごしてまいりましょう。
 教皇が示された意向は、「飢餓」「女性」「子ども」です。貧しさは、弱き者である女性と子どもに真っ先に襲いかかり、人権を奪い取ります。豊かな者、強き者はおごることなく、人としての誠実さを示しながら、分かち合い支え合う生活に転換することが求められています。このほかに、愛の道はありません。物があふれる豊かな生活からの解放は、心の豊かさへの転換を生みます。これはキリストの教えの中心であり、贖いの神秘の現れの一つです。


一般: 農民と世界の飢餓
 主が農民を祝福し、豊かな収穫を与えてくださるように。また、世界のあらゆる地域を脅かす飢餓に、豊かな国々が敏感に応えて行動するように

宣教: 貧しい者の希望のしるしであるキリスト者
 女性や子どもが、貧しさと弱さのために悲惨な状況におかれている中で、そこに働くキリスト者が、連帯と愛の福音を勇気をもってあかしし、希望のしるしとなるように

日本の教会: 神のいつくしみをあかしする
 神の愛だけが憎しみの力に打ち勝つことをあかしできるように

「神のしもべヨハネ・パウロ二世は、二十世紀の恐るべき悲劇の数々を自ら知り、体験しました。そして、長年の間、悪の波を食い止めることができるのは何かと、自らに問いかけました。その答えは、神の愛のうちにのみ見いだすことができました。実際、神のいつくしみだけが、悪に限界を設けることができます。神の全能の愛だけが、悪しき者の支配と、利己主義と憎しみの破壊的な力に打ち勝つことができます。だから教皇は、最後のポーランド訪問の際、祖国の人々に向けて述べたのです。『神のいつくしみ以外に、人類に希望を与えてくれるものはありません』」
――教皇ベネディクト十六世 (2008年4月2日 ヨハネ・パウロ二世3回目の命日祭ミサ説教)
写真: 植松 康祐