2009年5月  2.日本の教会のための新しい神学校
 日本の司教団は、教区司祭を養成するために、ローマ教皇庁福音宣教省の認可を得て、「東京カトリック神学院」と「福岡サン・スルピス大神学院」を合同し、4月1日に「日本カトリック神学院」を開校させたばかりです。
 この新しい神学院は、従来の2つの校舎をキャンパスとして利用しながら、「2つのキャンパスをもつ1つの神学院」という形態で運営されています。司祭になるためには最短でも、6年間の養成が必要とされていますが、現在、東京キャンパスでは、最初の2年(哲学科1・2年)の神学生と、最後の1年(神学科4年)の助祭が共同生活を送っています。そして福岡キャンパスでは、その間の学年、すなわち神学科の1・2・3年生が一緒に学んでいます。日本の全16教区の神学生が、将来の教会の牧者また福音宣教者を目指して、2つのキャンパスにおいて新学期をスタートしました。日本の教会がキリストのうちに一つとなって福音宣教に取り組むために、全教区の神学生が切磋琢磨しながら、共同生活を送り、祈り、学ぶことは、ほんとうに有意義なことではないでしょうか。日本には、教区司祭を養成する「日本カトリック神学院」の他に、修道司祭を育てる神学院も複数存在しています。
 ところで、聖書の中には、イエスが十二人の使徒たちと宣教生活を送っておられたときに、「自分の持ち物を出し合って、一行に奉仕していた」(ルカ8・3)人々のことが記されています。いずれにしても、神学院は、そこで働く養成者、教員、職員の働きだけではなく、多くの恩人の祈りと献金がなければ成り立ちません。そのために、日本の複数の教区では、召命のために祈り、また募金を行う団体も組織されています。私たちも自分の置かれている立場で、将来の福音宣教者・牧者となる働き手を育てる日本の神学院、また全世界の神学院のために、霊的また経済的な援助をささげていきたいと思います。