2009年5月  5.マリアの態度に倣(なら)う
 5月は聖母月と呼ばれ、イエスの母となられたマリアを思い浮かべ、その生き方に倣うように勧められています。
 マリアは神を畏れる謙遜で従順な人でした。神の子を宿したことを告げる天使に「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」(ルカ1・38)と応えます。「マグニフィカト」と言われるこのマリアの態度は、すべてをおいて主に従う信仰者の模範とされています。
 マリアは使命を全うする人でした。12歳になった少年イエスは、過越祭に両親とエルサレムへ旅した後、帰りにはぐれてしまいました。マリアは、三日目に神殿で学者たちと話しているわが子を見つけて、「なぜ、こんなことをしてくれたのです。御覧なさい。お父さんもわたしも、心配して捜していたのです」(ルカ2・48)としかります。御父からお預かりしたイエスのいのちを育て守る使命を自覚した、責任ある立場からの言葉でしょう。
 マリアは祈りの人でした。この少年イエスのエルサレムの神殿での出来事の後、「母はこれらのことをすべて心に納めていた」(ルカ2・51)と記されています。また、イエスの誕生に際しては、羊飼いたちに天使が話してくれたことを聞いて、「マリアはこれらの出来事をすべて心に納めて、思い巡らしていた」(ルカ2・19)とあります。
 そして、エリザベトを訪問している時にささげた祈りは、マリアの賛歌としてルカ福音書に記されています(ルカ1・47-55)。この賛歌に、神への畏れ、謙遜、従順、ご自分の使命への気づき、そして祈りの人であることがすべて著されています。
 マリアの月を終えるにあたり、もう一度マリアの賛歌を味わいなおして、私たちも、マリアのように、神を畏れ、謙遜と従順に励み、自分の使命を全うし、そして日々祈る者となれるように、マリアに取り次ぎを願いましょう。