2009年8月 4.難民と戦争 |
![]() いのちを失わずに済んだ民間人でも、住むところを失って難民と化します。難民のすべてが、戦争や紛争の原因で発生したわけではありません。「難民の地位に関する条約」の対象の難民は、「人種・宗教・国籍・政治的信条などが原因で、自国の政府から迫害を受ける恐れがあるために国外に逃れた者」とされています。これは政治難民と呼ばれますが、難民のもともとの定義は政治に限定されているわけではありません。歴史的には天災、飢餓や伝染病、国内外の紛争から逃れるために住む場所を追われた者が難民もしくは流民の多数を占めていました。また近年では経済的貧困から逃れるための理由での難民も現れています。今世界中には、3000万人ほどの難民がいると言われています。 教皇は、「難民と移住移動者」のために毎日をささげるようにと、今月の意向を掲げました。今、困難な生活を強いられている難民と移住移動者のために、私たちが果たすべき責任は、その人びとを隣人として受け入れ、生活を分かち合う姿勢です。さらに、難民や移住移動者を生まないように、平和で安定した生活を創り出す責任も持ち合わせていることを、忘れないようにしたいものです。 キリストの平和が、一日も早く実現され、家族と共に安心して暮らすことができる世の中を、私たちの手で築くことができますように。 |