2009年8月の意向
 国連総会では毎年、「核兵器の廃絶」が170カ国以上の賛成多数で可決されているにもかかわらず、核の保有をめざす国々が後を絶ちません。皮肉なことに、反対している国はアメリカ合衆国と北朝鮮を含む4カ国だけです。この両国の狭間に日本があります。ですから、被爆国としての日本の役割はとても大きいのです。
 日本の司教団は、今月の意向に「完全な核廃絶の実現」を掲げました。8月6日から15日までの「日本カトリック平和旬間」には、特にこの意向を心に留めて過ごしましょう。また、濱尾文郎枢機卿の功績によって推進された「難民と移住移動者」への取り組み、そして、キリスト教徒であるがゆえに迫害や差別を受けている人々にも、思いをいたしてまいりましょう。


一般: 難民と移住移動者
 悲劇的な状況の真の解決を求めて、移住移動者、難民となっている何百万人もの人々の問題について発言がなされ、世論となるように

宣教: 迫害され差別されるキリスト者
 キリストの名を公言することで、迫害や差別を受けている多くの国々のキリスト者が、人権や平等の擁護を受け、信仰を生きる自由が与えられるように

日本の教会: 完全な核廃絶の実現
 すべての善意の人が力を合わせて完全な核廃絶を実現できるように

「全世界的な次元でも、残念ながら、軍備拡張競争を行う国が増加しているのを認めなければなりません。・・・・このような困難な時代にあって真に必要なのは、すべての善意の人が、とくに核兵器の分野で、『実効的な武力放棄』に向けた具体的な合意を見いだすことです。核不拡散の進展が停止している状態にあって、わたしは政治指導者たちに勧告しなければならないと感じます。強い決意をもって『現有核兵器の段階的・協調的廃絶』に向けた交渉を再開してください。わたしはこの呼びかけを、人類の未来に関心をもつすべての人の願いと声を合わせて行います」
――教皇ベネディクト十六世 (2007年12月8日 2008年世界平和の日メッセージ)
写真: 植松 康祐