2009年9月 4.神に対する信頼と希望 |
神よ、深いふちから あなたに叫び、 嘆き祈る わたしの声を聞いてください。 あなたが悪に目を留められるなら、 主よ、だれが あなたの前に立てよう。 しかし、あなたのゆるしのために、 人は あなたを おそれ とうとぶ。 神は わたしの希望、わたしの望み、 わたしは そのことばに寄り頼む。 夜明けを待ちわびる夜回りにもまして、 わたしの心は主を待ち望む。 イスラエルよ、神に寄り頼め、 神は豊かな あがないに満ち、いつくしみ深い。 神は すべての罪から、 イスラエルを救われる。 ――詩編130 (日本語訳は「教会の祈り」による) この詩編は、神の憐れみとゆるしについての賛歌、神をたたえる歌です。そして、神に向かって嘆き祈る詩編作者の声です。 主よ、悪の深いふち、暗闇から叫ぶ声が聞こえますか。この私の声に耳を傾けてください。しかし、主よ、罪を心に留められるなら、だれがあなたの前に立てましょう。あなたのいつくしみとゆるしのために、私は、あなたをおそれ尊びます。そうです、あなたの裁きと罰のためではなく、あなたのいつくしみとゆるしのゆえにあなたをおそれ敬います。 モーセはシナイ山に登りました。主は雲のうちに降り、モーセと共にそこに立ち、主のみ名を宣言されました。主はモーセの前を通り過ぎて宣言されました。 「主、主、憐れみ深く恵みに富む神、忍耐強く、いつくしみとまことに満ち、罪と背きと過ちをゆるします」(出エジプト34・6-7参照)。裁く神ではなく、受け入れてくださる神、支えてくださる神です。 神のいつくしみとゆるしに基づいて希望と望みは湧いてきます。神は私の望み、希望、その言葉に寄り頼みます。詩編作者はイスラエルに向かって「神は豊かなあがないに満ち、いつくしみ深いので、神に寄り頼め」と勧めます。希望のない今の時代に、生きがいを感じない人たちに、未来が見えない若者たちに、よりどころのない高齢者に、絶望して自分の命を絶とうとする人たちに、神は希望、充実、安らぎ、くつろぎをもたらす方です。この人たちに希望のメッセージを伝えたいのです。 この詩編の祈りは、罪の闇のふちから神が開く輝かしい未来に移ります。神の憐れみとあがないが支配する未来です。 |