2009年12月 3.子どもたちからの学び |
![]() 若き日のフランシスコ・ザビエルがイグナチオ・デ・ロヨラに宛てて書いた手紙の中の一節に、次のような箇所がある ― 「キリスト教の信仰を受け入れてもう8年になる信者の村に来ました。… ここでは、司祭から置き去りにされ、自分たちが信者であること以外、何も知らない状態です。そのために私はここに来て、まだ洗礼を受けていない子どもたちに、先ず洗礼を授けに回りました。こうして、右も左もわきまえないと言われるような子どもたちに、救いの手を差し伸べることができました。子どもたちは『祈りを教えてください』と熱心に求めるので、私は聖務日課の務めを果たすことも、食事をすることも、休みをとることもできなくなるほどです。『天の国はこのような者たちのものである』ということが、初めてわかったような気がします」。― ここには、神の慈しみ深い導きの内に置かれている子どもたちから人間の真の尊厳を学び直す使信が込められている。 |