2010年3月  2.家庭は愛の源
 毎年、3月8日は国連「国際女性デー International Women's Day」です。1910年に宣言された国際女性デーは今年100周年を迎えます。かつて、女性の貧困からの解放と参政権を求めて女性たちが行動を起こしました。運動は拡がり、飢えや貧困からの解放、社会における地位の向上だけでなく、労働条件の改善や、レイプ、暴力や虐待などの女性に対する暴力の即時停止などを求めて、女性たちはネットワークを創りながら活動を継続しています。
 今日の経済優先の社会システムは「当たり前」のことを見えなくしてしまっています。女性たちは「いのち」を生み出し、養い育てるという大きな使命を担っています。しかし、貧困や戦争、快楽を煽り立てる社会の中で、絶望に陥る女性たちがまだ大勢います。「私にとって、いのちは人類への神からの最も美しい贈り物です。ですから、中絶や安楽死によっていのちを破壊する人々や国家は最も貧しいと言えます。私は、合法か非合法かと言っているのではありません。いのちを奪うために人は手を上げるべきではないと思います。なぜなら、いのちは私たちの中にある神のいのちなのですから。たとえそれが、まだ生まれていない赤ちゃんであっても。」(マザー・テレサ『日々のことば』)
 女性は家庭の中心です。家庭は人が愛を体験する基本的な場です。「女性の尊厳と役割」が守られなければ、子どもたちは「愛の心」をどこで実感することができるのでしょうか。「女性の尊厳の擁護」は将来への種蒔きです。お金ではなく、「愛」を中心とした社会作りに、私たちは連帯を強めていかなければならないのです。生誕100周年を迎えたマザー・テレサは今も呼びかけています。「女性が、自分自身の存在の理由をはっきり悟るように祈りましょう。」愛を中心とする女性原理で社会が変革されていくように今日の一日をささげましょう。