2010年3月  3.神様の素晴らしさを伝える人々
 3年前の5月、アフリカのカメルーンでボランティアをしていた一人の若い女性Yさんから電話がかかってきました。カメルーンで働いているシスターに出会い、私の連絡先を聞いたということでした。Yさんは貧しい生活の中でも喜びを持って生きている人々と生活を共にし、彼らの中で働いている「神様の素晴らしさ」に触れたのでした。日本の希薄な人間関係の中で育ってきたYさんにとってカメルーンでの体験は、「人生の意味」、そして「家族との絆」を問い直すきっかけとなりました。
 政治的にも経済的にも不安定な状況に置かれているアフリカ諸国の人々にとって、教会共同体は大きな支えです。干ばつなどの自然災害だけでなく、生活向上という名のもとに行われるグローバル経済の搾取などによっても飢えや貧困から抜け出すことができません。乳児死亡率やエイズ罹患率は高く、いつも命が脅かされています。そのような社会において信仰が人々の支えであり、希望の源なのです。アフリカ諸国で奉仕する司祭や修道女は、僻地の村々を巡り、一人ひとりの心に寄り添っているのです。希望の泉が枯れないように。
 カトリック系の医学部で学ぶMさんはアフリカを支援する学生NGOでボランティアをしています。支援地を訪れることを家族から反対されたMさんは、後方支援として活動しています。日本の若者たちは、貧しい生活を余儀なくされているアフリカの人々や宣教者とのかかわりを通して、先進諸国では見いだすことが困難な「人間にとって本当に必要なこと」を教えられています。
 私たちは祈りの中で遠い所に住む兄弟・姉妹たちと出会うことができます。アフリカの国々で暮らす人々の心に合わせて祈りましょう。「アフリカの教会が、どの場所でも、和解と正義のしるしとなり、道具となりますように。」