2010年3月  4.ワールドユースデー(WYD世界青年の日)
 受難の主日は「世界青年の日」でもあります。国連の「世界青年の年」の1985年、前教皇ヨハネ・パウロ2世は青年たちに枝の主日にローマに集まることを呼びかけました。60カ国、30万人の若者が教皇の呼びかけに答えて、ローマを訪れました。翌年、毎年受難の主日を「世界青年の日」として教区レベルで記念するように定められ、数年ごとに国際レベルの「世界青年の日大会」が開催されています。
 10回目の世界大会の開催地シドニーで、教皇ベネディクト16世は集まった若者たちに人生の方向づけや意味づけを与える「偉大な希望」について語りました。現代社会は神を忘却し、明らかな方向づけが喪失し、その結果として孤独や暴力、不満や不信をもたらし、絶望を生み出しているからです。私たちは「どこに希望の炎を見いだし、それを心の中で生き生きと保つことができるのでしょうか。」
 さまざまな困難や試練の渦中にあったパウロは、弟子のテモテに重要なメッセージを書き送りました。「わたしたちは生ける神に希望を置いています。」(一テモテ4・10) 復活したイエスに出会い、パウロの心は神の愛によって造り変えられ、希望の証人になりました。「生ける神」キリストこそ、まことの希望です。
 また、教皇様は閉会ミサ説教において若者に呼びかけました。「皆様の生活の中で祈りに時間を割いてください。一人で祈るのはよいことです。ともに祈ることはなおさらすばらしく、実りをもたらします。祈りは神の恵みをただひたすら受け入れることです。実践に移した愛です。」
 2011年にマドリードで世界大会が開催されます。そのテーマは使徒パウロの次のことばです。「キリストに根を下ろして造り上げられ、信仰をしっかり守りなさい。」(コロサイ2・7) 日々の祈りの中でキリストとの交わりを深め、次の世界大会をめざして、ともにその準備のために歩んでいきましょう。