2010年7月 2.正義・連帯・平和 |
![]() そんな作品を残された井上ひさしさんの座右の銘は次のような言葉だったそうです。 「むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく ふかいことをゆかいに ゆかいなことをまじめに書くこと」 この言葉を胸に井上さんの作品を読みなおすと、「なるほど」と納得します。井上さんの作品は単に冷たいイデオロギーが書かれている本ではありません。政治問題も「やさしく、ふかく、ゆかいに、まじめに」書かれてあるので、ある種の温かみをもった文学作品に仕上がっています。やはり、井上さんはイデオロギーよりも、人間を愛された方ではないかと思います。どんなに問題があっても、不平等があっても、それでも人間を愛するという井上さんの基本的な心が、作品に深みを与えているように感じます。 さて、我々の「きょうをささげる」の意向を読みなおして少し反省しています。「正義!連帯!平和!」という言葉が何回も並んでいます。「正義」ってなんですか?「連帯」ってどうすることですか?「平和」ってどうすれば得ることができますか?これらの意向に沿って「祈る」とは、ただこれらの言葉を唱えることではないと思います。これらの言葉、意向を「やさしく、ふかく、ゆかいに、まじめに」、私たちの現実の言葉にしていくことが真の祈りなのではないでしょうか。 |