2010年8月 1.人々の住まう心の広さを |
![]() 時は、サッカーW杯まっただ中でした。この講演のおかげもあってか、その夜に行われたパラグアイ戦では日本は惜しくも負けてしまいましたが、私は相手側に拍手を贈ることができました。パラグアイの人々と共にサッカーを観戦しているつもりになれたからです。あの日韓併合当時、同じ韓国朝鮮人という立場にある人々の中でも、加害者になるか被害者になるかは紙一重の差でした。その違いは、一つには、抑圧されている人々を心の中に置くことができたかどうかにあるのだと思います。 奇しくも、ある分かち合いで、一人のアルゼンチン人の司祭が同じ思いを分かち合ってくれたのは驚きでした。「多くの外国人と生活して観戦した今回のW杯は、私の心を広げてくれた」と。たかがサッカーではない、真実がそこにあるように感じます。 私たちができることは限られているかもしれませんし、最初の一歩に過ぎないかもしれませんが、たくさんの人が私たちの心の中に住むことができるように心を開いていくこと、受け入れていくことが大事なのではないかと思います。どうか、私たちの心が広がっていき、たくさんの苦しんでいる人の住処となれますように、祈りたいと思います。 |