2010年9月  3.技術を社会的に弱い人のために生かす
 ケータイ電話の商品開発の部署で働いているある信徒が、「視覚ハンディのある方と聴覚ハンディのある方がコミュニケーションできる商品を将来開発したい」と語ってくれました。ケータイは、最先端の技術を駆使して、機能や使い方などの付加価値のある商品を市場に出してきました。近々3D(三次元映像)も導入した商品が発売されるそうですが、ライバル会社の製品との差別化を図ろうと、しのぎを削っています。しかし中には、さほど利用価値がなくても、「売らんかな」の精神で市場に出して、宣伝の力で売ってしまうものもあります。欲しくもない機能まで組み込み、無理矢理買わせて利益を稼ごうとすることもあるでしょう。企業の宿命として、いたしかたない部分はあっても、利益追求だけの商品開発では、社員は悪く言えば魂を売っていることになります。必死で働くことは尊いのですが、キリスト者としては、できればさらに福音的な目標を持った開発を目指したいものです。
 この信徒のような志を持ってくれたら、神さまもどれほど喜ばれるでしょう。ケータイという通信手段を、社会的に弱い立場の人が、より幅広く便利に利用できるようにしたい。このような望みは、企業の目先の利益にはあまり貢献しないかもしれませんが、天の国には大きく貢献するはずです。技術の発展が、目先の利益だけでなく、これまでその恩恵に与りにくかった人にも届くように努力できたら、とても素晴らしいことだと思います。
 今週は、「社会発展に向けて働く神の力が湧き出ますように」と祈りながら、過ごしてまいりましょう。