2010年10月 2.ロザリオの祈りに合わせて |
教皇は「キリストを告げ知らせることがもっとも必要な奉仕である」とし、今月24日の「世界宣教の日」を心におきながら日々をささげることを勧めています(『きょうをささげる』祈りのしおり2010)。しかし、そのためには、まず、わたしたち一人ひとりがイエス・キリストの生涯の神秘とその福音をよく黙想する人となる必要があります。 教皇パウロ6世は、1974年2月2日に公布した使徒的勧告『マリアーリス・クルトゥス』(聖母マリアへの信心について)の中で、「ロザリオは……聖書から霊感を受け、キリストの神秘に向う」(48番)ものであり、福音の黙想のために有益であるとして、信者にその実践を勧めました。さらに教皇ヨハネ・パウロ2世は、2002年10月16日に公布した使徒的勧告『おとめマリアのロザリオ』の中で、伝統的な(喜び・苦しみ・栄光の)3つの神秘の中に「光の神秘」を組み入れることを提唱しました。イエスの洗礼から始まり、聖体の制定に至るこの「光の神秘」は、「喜びの神秘」と「苦しみの神秘」を結ぶイエスの福音宣教の主な出来事を黙想させる有益な助けとなっています。現在、喜び・光・苦しみ・栄光へと連なる4つの神秘をもって唱えられるロザリオの祈りは、イエスの神秘とその福音の十全な黙想へとわたしたちを招いています。 10月は「ロザリオの月」と言われることがあります。これは、10月7日の「ロザリオの聖母」の祝いに由来しています。イエスの母マリアに取り次ぎを願いながらささげられるロザリオの祈りは、この黙想へとわたしたちを招き、最初の福音宣教者となったマリアとともに、人々をイエス・キリストへ導くすばらしい助けとなる信心業です。この10月の間に「ロザリオは……聖書から霊感を受け、キリストの神秘に向う」という教皇パウロ6世のことばを心に留めながら、聖母マリアとともに世界宣教のために祈りましょう。 |