2010年10月  3.聖性への招きにこたえる
 日本の教会は、この10月に「すべての人が聖性への招きにこたえることができますように」という意向で祈りをささげるように勧めています。この聖性の意味について、教皇ベネディクト十六世は次のように教えています。「聖性とは贅沢品でも、少数者のための特権でも、普通の人間には不可能な目的でもありません。実際、聖性は、神の子となるよう招かれたすべての人が目指す共通の目的です。それは、洗礼を受けたすべての人の普遍的な召命なのです。」(2008年8月20日一般謁見―「きょうをささげる 祈りのしおり2010」)
 10月15日に記念されるアビラの聖テレジアは、その著書『霊魂の城』の中で、霊的な成長の段階を美しいイメージをもって説明しています。人は自分のうちに「城」(=霊魂)をもっており、そこに七つの住居があります。城には祈りという入り口があり、城の奥深い部屋には王である神が待っておられるというものです。そして、各段階を経て、その最奥に住んでおられる神とのより深い一致へと導かれていくことを教えています。

 「わたしを愛する人は、わたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛され、父とわたしとはその人のところに行き、一緒に住む。」(ヨハネ14・23)

 「洗礼を受けて神の子となるように招かれたすべての人の霊魂の城の奥深くに、神が待っておられる。」何という慰めに満ちた真理でしょうか。その霊魂の奥深くに入り、神との親しさを深めていくために、沈黙の祈り(念祷)を通して愛に向かう道を大切にするよう、アビラの聖テレジアは教えています。10月1日に記念された幼きイエスの聖テレジアも、幼な子の道を通して、聖性(神との親しさ)に導かれていくことを教えています。普通の人でも、その神と出会い、一緒に住むように招かれているのです。そのために、わたしたちも、祈りと愛の心をもって、自分にできる日々の事柄を神と隣人のためにおささげして生きる精神を大切にしていきたいものです。