2010年11月  2.ラテンアメリカの宣教
 今月の教皇の意向の一つは、「ラテンアメリカ大陸に共通した宣教( Mission Continental)の使命を果たすことができますように」です。
 2007年5月、ブラジルの保護者アパレシーダ(発見された)マリア聖堂で第5回ラテンアメリカ大陸の司教会議が開催され、「私たちラテンアメリカの民は主において生命を得るため、すべての信徒はキリストの弟子・宣教者として呼ばれている」ということを思い起こさせてくださいました。教皇も11月に、私たちが皆キリストの弟子であり宣教者であるという意識を新たにして祈り求めるように、招いておられます。
 会議はこれまで、1955年ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ、1968年コロンビアのメデジン、1979年メキシコのプエブラ、そして1992年にサント・ドミンゴで開かれてきました。これらのすべての会議において、ラテンアメリカ大陸での布教の現状が検討されましたが、アパレシーダの会議ではすべてのキリスト者の弟子・宣教者としての使命が確認されました。日本で暮らす私たちも、今月はキリスト者としての使命を振り返ってみることができるでしょう。
 キリスト者はみなキリストの弟子です。弟子は、師から学ぶためにその後に従い、師の足元に座ります。その目的は、師の身振りや生き様に直接触れ、師のように生きて、師を証しするためです。
 弟子は、師の生活様式を自分のものとし、道具となる準備を整えます。マリアのように、み言葉に耳を傾け、心に納め、思いめぐらし、自分のものとし、またイエスの弟子たちと同じように、師に近づいて、その教えを聴いて理解し、行動に移します。
 キリスト者は、弟子であり、宣教者です。三つの側面を持った一つの呼びかけを受けています。それはまず、生きるように、そして、弟子となるように、さらに、派遣されるように、呼ばれています。これは、愛である神からの唯一の呼びかけです。その呼びかけは実にユニークな存在としての私に、固有の使命を与えます。それが自分の使命と一致すればするほど、個性はより豊かになります。
 キリスト者は、イエスを模範にして神の計画の協力者として呼ばれているという特性をいただいています。「すべての人々が救われて真理を知るようになることを望んでおられる神」の協力者、(一テモテ2・4 参照)「羊が命を受けるため、しかも豊かに受けるため」に来たイエスの協力者なのです。(ヨハネ10・10)
 キリスト者は復活したイエスと個人的に出会い、祈り、秘跡、その中でも特に感謝の祭儀において、イエスと毎日一致して生きています。概念や教義だけを伝える観想者ではなく、イエス・キリストとみ国の生き方を伝えます。聖霊に素直に従います。
 キリスト者は、行動したり話したりするのは自分自身ではなく、聖霊が使命のほんとうの主人公だと知っています。自分の使命を果たすためにキリストから派遣されており、イエスがいつも共にいてくださることを知っています。