2010年12月  4.クリスマス
 12月25日が近づいています。神の御子のイエスの誕生が、何月何日であったか、歴史の上では不明です。しかし、冬至を過ぎて昼間の時間が長くなり始めるこの時を、人類を希望に導く救い主の誕生の時としたのでしょう。毎朝日の出のころを祈りの時としていると、日一日と日の出の時刻が早くなっていくことが実感できます。冬至の空に陽が昇り、人びとは「闇に住む民は、光を見た」気持を抱いたことでしょう。キリスト教では、12月25日を主のご降誕の日と定めています。
 この、イエスの誕生の出来事がなければ、私の信仰は育てられなかったでしょう。父である神が、人類を愛し、その救いのためにご自分の子を世に遣わされたのです。そのひとり子イエスは、愛と正義を説き、希望に向けて歩むことを説き、父への信仰に立ち返ることを説いたのでした。そして、私たち一人ひとりに、神の国の建設のために、共に働こうと呼びかけられたのです。
 世界中の教会が主のご降誕を待ち望んでいるこの時、この一年間にいただいた恵みを思い起こし、感謝のうちにこの一週間を過ごしてみてはいかがでしょうか。まず1月から順に、その月で一番心を動かされた出来事を書き出してみます。12の出来事が書き出されたところで、その一つひとつの場面を心に思い浮かべて、その時の気持を味わいなおしてみます。苦しさも、悲しさも、辛さも、寂しさもあるでしょう。その気持をもう一度味わいます。また、喜びも、希望も、慰めも感じたことでしょう。その気持も味わいなおします。そして、それぞれの出来事をどこかで見守ってくださっていた神を、意識します。喜びや恵みには感謝の言葉を、また苦しみや悲しみについては、神がそれを希望と喜びとに変えてくださるように、願います。
 一日に2カ月ずつを振り返るとよいでしょう。そして最後の7日目に、最も心を動かされた出来事は何だったか、一つだけを選んで、それについて祈りの中で思いめぐらしてみてください。きっと、あなたのすぐそばにいて、あなたを支え励ましてくださっていた神に気づくことができるでしょう。
 「きょうをささげる」の運動では、夜寝る前に、「ありがとう、ごめんなさい、よろしくお願いします」と心の中で唱えて、その日に出会った人びとと神とに想いを寄せて、休むように勧めています。それと同じように、この一週間で、一年を閉じる前に、今年出会った人びとと神とに、同じように「ありがとう、ごめんなさい、よろしくお願いします」との想いを寄せて、迎え来る2011年の準備をいたしましょう。