2011年5月  4.ボランティアのために祈る
 3月11日の大震災以来、本当にたくさんの方々が、ボランティアとして自分のできることをささげて、活動をしています。1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災の直後には、現地において被災者支援のボランティア活動に参加した人の数は、一日平均2万人超、3ヶ月間で延べ117万人とも言われています。その時から、被災地でのボランティア活動(専門ボランティア・情報ボランティアを含む)の重要度に対する一般の認識も飛躍的に高まりました。現地には行かずに被災負傷者のための献血・義捐金拠出・物資提供などの後方支援に携わった人々も含めると参加人数はさらに大きな数となりました。
 このために、この1995年は、日本における「ボランティア元年」とも言われます。後に、内閣は1月17日を「防災とボランティアの日」、17日を中心とした前後3日の計7日間を「防災とボランティア週間」と定めました。
 この震災で、ボランティアに関わった人々の中には、精神的に大きなダメージを負ってしまった人が多かったことも事実でした。被災した人々のケアだけでなく、ボランティアの心のケアも、とても重要であることが明らかになった初めてのケースでした。

 今回の震災と原子力発電所の事故による被災の規模は、死者・行方不明者の数で阪神淡路大震災の3倍を超え、被災地も比較のしようがないほどに広範にわたっています。日本中、そして世界中で、今も人々は心をこめて祈り、自分のできることを精一杯被災者の方々のために差し出しています。
 そして、自分の住んでいるところで、また、被災地に出かけていって、自分ができることを行動に移して、自分をささげてボランティア活動を続けています。被災地が元気を取りもどすための底力となっているボランティアの方々のために、心を込めて祈りたいと思うのです。