2011年5月の意向
 真実がねじ曲げられ、人間の尊厳が脅かされています。司法の場で証拠が改ざんされ、自白の強要によって犯罪がねつ造され、また、報道の場では発信源で情報が加工されて、特定の人々の利益を生み出す不正義な構造がなくなりません。民主国家においてさえ時にして発生するこの問題は、とくに北朝鮮やミャンマーなどの現政権のもとでは日常的に行われていて、人々を苦しめていることが伺えます。真実が人々の前に明らかにされ、皆でその意味を考え祈りながら歩める社会の到来を、祈り願いましょう。
 日本の教会は、司祭召命の推進を意向として掲げています。一人でも多くの青年の、神と教会に自らをささげる心が司祭職への召し出しとなり、共同体の祈りと支えによって、その道を歩み続けていくことができるように、日々をささげてまいりましょう。


一般: 報道における真実、連帯、人間の尊厳
 報道に従事する人々が、真実、連帯、そして、すべての人々の尊厳を大切にして、よい働きができますように。

宣教: 中国の教会
 中国の教会が、主の助けによって、福音への忠実を貫き、一致へと導かれますように。

日本の教会: 日本における司祭召命の推進
 日本の多くの青年が司祭への召命に進んでこたえることができますように。

「聖なるおとめに願います。どうか、キリストと教会に完全に惜しみなく自分をささげるという理想をすべての司祭の心のうちに燃え立たせてください。この理想こそが、アルスの聖なる主任司祭の思想と行動に霊感を与えたものだからです。熱心な祈りの生活と、十字架につけられたイエスへの激しい愛によって、ヨハネ・マリア・ビアンネは、神と教会に対して日々ますます徹底的に自らをささげました。ビアンネの模範に促されて、すべての司祭が、司教との一致、司祭どうしの一致、信徒との一致をあかしすることができますように。この一致こそが、現代においてますます必要とされているものだからです。」
――教皇ベネディクト十六世 (2009年6月16日 アルスの聖なる主任司祭の没後150周年を記念する「司祭年」開催を告示する手紙)
写真: 岸 秀雄