2011年6月  2.聖霊によって一つに結ばれる
 地の果てに至るまで、弟子たちを宣教へと派遣されるときにイエスがなされた約束のとおり、弟子たちは聖霊に満たされ、強められました(使徒言行録2・1-4)。しかし、聖霊を受けたのは、弟子たちだけではありませんでした。使徒言行録の中に、「彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(1・14)と言われ、この方々も弟子たちといっしょに聖霊を受けたものと考えられています。この方々は、隠れた祈りと奉仕をもって、イエスと弟子たちの日々の生活と宣教活動を支え続けた恩人です(ルカ8・1-3参照)。
 教会共同体に属する私たち一人ひとりも、それぞれの立場で、イエスから命じられた教会の使命に協力するよう、聖霊によって招かれ、強められているに違いありません。
 教会の宣教活動の保護者に立てられている聖フランシスコ・ザビエルと幼きイエスの聖テレジアの生き方はまったく対照的ですが、二人の生き方が両方とも必要です。聖書に登場するマルタとマリアの生き方(ルカ10・38-42参照)が両方とも必要です。これらは、まさに、初代教会の時代、宣教活動の第一戦で活躍された使徒たちと、彼らの宣教活動を支え続けた「婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たち」(使1・14)の協力のあり方に通じるものです。
 聖霊降臨のとき、聖霊は「炎のような舌」(使2・3)というしるしをもって一同の上に注がれました。イエスの福音を宣教する働きを助け導く聖霊の恵みが、このしるしによって示されているように思われます。
 イエスへの愛によって動かされ、聖霊によって一つに結ばれながら、わたしたちは、六月の祈りの意向に従って、「神の国を伝え広めるためにすべてを捧げる宣教者が、聖霊の働きによって、私たちの共同体から召し出されますように」、ともに祈りと犠牲をささげましょう。