2011年6月  5.NICEから20年
 日本の教会の意向として「福音宣教の推進」が掲げられ、NICE(福音宣教推進全国会議)「振り返り」担当司教のメッセージが、その意向に添えられています。
 1984年に司教団は「基本方針と優先課題を」発表し、日本の教会でも第2バチカン公会議の意向に合わせて刷新を行おうとしました。思い起こせば、基本方針の一つは「私たちカトリック教会の全員が、・・・すべての人を大切にする社会と文化に変革する福音の担い手になる」ことで、もう一つの基本方針は、そのためにともに働く仲間を増やすために「信仰の喜びを伝え、より多くの人を洗礼に導く」ことでした。
 この二つの基本方針を実践に移すにあたって、優先課題として「1.教区、小教区を宣教共同体になるように育成する」「2.修道会、宣教会、諸事業体(学校、施設)と具体的な協力体制を敷く」「3.1987年に、司教、司祭、修道者、信徒による福音宣教推進全国会議(NICE)を開催し、それを目標に準備に取り組む」の3つを掲げたのでした。
 各教区で準備が進められ、「聴き、吸い上げ、生かす」の標語とともに、「開かれた教会をめざして」をテーマとした第1回NICEが、87年の11月20日から23日にかけて、京都のカテドラルを中心とした会場で、16の教区からの代表がそれぞれ13名ずつ、また、教区枠外の代表、実行委員、司教、総勢275人の参加者を集めて、開催されたのでした。参加者は「日本の教会の私たち一人ひとりにとって初めての体験であり、大きな喜びとなりました」と宣言しています。会議の内容は答申としてまとめられ、第一の柱、「日本の社会とともに歩む教会」に関しては、4つの提案と一つの特別提案が、第二の柱「生活を通して育てられる信仰」に関しては3つの提案が、そして第三の柱「福音宣教する小教区」に関しては、6つの提案が、司教団に手渡されたのでした。
 この答申を受けて、司教団は12月14日から18日に臨時司教総会を開催して、「ともに喜びをもって生きよう」というメッセージを発表しました。
 ここでは、第1回NICEの流れについて振り返ってみましたが、私たち日本のカトリック教会の基本方針は、1984年の「直接宣教」と「社会の福音化」にあることをもう一度確認し、この2つが達成できるように、残された6月の日々、祈りをささげてまいりましょう。